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脳卒中の回復を妨げる!?知っておきたい「サルコペニア」という筋肉量減少について
脳卒中後の回復には、筋肉量が大きく関わっています。
筋肉量が減ると、立ち上がりや歩行がやりにくくなり、リハビリの成果にも影響します。
特に脳卒中後は、サルコペニア(筋肉量が減り力が弱くなる状態)になるリスクが高まります。
この記事では、サルコペニアの仕組み、筋肉量と回復の関係、効果的な食事と運動のとり方、そして、筋肉量と栄養状態の両方に注目し、ご本人やご家族が日常で取り組める工夫をわかりやすく解説します。
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はじめに
脳卒中の発症後、「手足が動かしにくい」「疲れやすい」「以前より力が入らない」と感じる方は少なくありません。
こうした変化の背景には、筋肉量の低下が関わっていることがあります。
思うように身体が動かせない期間が続くと、気づかないうちに筋肉が減っていくためです。
これが「サルコペニア」と呼ばれる状態です。
サルコペニアは、単なる体力の低下ではありません。
脳卒中後は、麻痺や活動量の低下によって筋肉量が減りやすく、サルコペニアのリスクが高まります。
そしてサルコペニアは、身体を動かす練習の効果や、日常生活の動きやすさに大きく影響する、見過ごせない要素のひとつです。
サルコペニアとは
サルコペニアは、筋肉量が減り、力が弱くなる状態です。
加齢や活動量の低下、栄養状態の悪化などが原因で起こります。
脳卒中後は、麻痺や活動量の低下によって、麻痺側だけでなく身体全体の筋肉が使われにくくなり、サルコペニアになるリスクが高まります。
サルコペニアが進むと、立ち上がりや歩行がやりにくくなり、身体を動かす練習そのものの効果にも影響しやすくなります。
早期に筋肉量に注目し、対応を考えることが、その後の回復を支えることにつながります。

サルコペニアの簡単なセルフチェック方法
ご自身やご家族で、次のような点を確認してみてください。
【麻痺のない側(非麻痺側)で確認することをおすすめします】
✅以前と比べて、ふくらはぎが細くなったと感じる
✅ペットボトルのふたを開けるときの力が弱くなった
✅歩く速さが、以前よりゆっくりになった
✅立ち上がるときに、机や手すりに頼ることが増えた
これらに複数当てはまる場合、筋肉量の低下が進んでいる可能性があります。
見落とされがちなケース
サルコペニアは、痩せている方だけの問題ではありません。
体重や見た目に大きな変化がなくても、筋肉が落ちて脂肪の割合が増えている「隠れ筋肉量減少」の状態になっていることがあります。
また、麻痺側だけでなく、非麻痺側(動かせる側)の筋肉量も、活動量の低下によって同時に減っていくことがあります。
「動かせる側だから大丈夫」と思い込まず、身体全体を意識することが大切です。
脳卒中で筋肉量が減りやすい理由
脳卒中では、麻痺や活動量の低下によって、筋肉が使われにくくなることがあります。
使われない筋肉は、次第に細くなり、力が弱くなっていきます。
また、栄養状態が十分でない場合も、筋肉の減少を早めることがあります。
特に、脳卒中後は食べにくさや飲み込みにくさから、栄養が十分にとれない方もいます。
このように、活動量の低下と栄養状態の両方が、筋肉量の減少に関わっています。
最新の知見:筋肉量と脳卒中回復の関係
最近の研究では、脳卒中後の回復には筋肉量が大きく関わることが分かってきました。
筋肉量が減っていると、退院後の生活でも動きにくさが残りやすくなります。
また、やせすぎている方は、回復が遅くなるリスクが高いことも報告されています。
特に高齢者では、太りすぎずやせすぎず、ほどよい体重を保つことが大切です。
大切なことは、筋肉量と栄養状態の両方に注目することが、脳卒中後の回復を支えることにつながります。
効果的な食事のとり方
筋肉をつくるためには、タンパク質を十分にとることが大切です。
タンパク質は、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などに多く含まれています。
毎食、これらの食品をバランスよくとることがおすすめです。
特に、脳卒中後の回復に役立つ食べものがあります。
・納豆:大豆タンパク質だけでなく、ナットウキナーゼという成分が血流を改善する可能性があります。
・青魚(サバ・イワシ・サンマ):オメガ 3 脂肪酸が炎症を抑え、筋肉の回復を助けます。
・卵:完全タンパク質で、筋肉の材料になるアミノ酸をバランスよく含んでいます。
・ヨーグルト:タンパク質だけでなく、腸内環境を整えるプロバイオティクスが含まれています。
腸内環境が整うと、栄養の吸収が良くなり、筋肉の回復を助けます。
また、エネルギーも十分にとることが大切です。
ご飯・パン・麺類などの主食を、毎食しっかりとることが大切です。
特に、玄米や全粒粉パンは、ビタミン B 群が豊富で、エネルギー代謝を助けます。
運動直後にタンパク質をとることで、筋肉の合成を促すことができます。
運動後 30 分以内に、卵 1 個やヨーグルト 1 カップをとるのがおすすめです。
食事だけで十分な量をとるのが難しい場合は、栄養補助食品を取り入れる方法もあります。
たとえば「リハたいむゼリー」(森永乳業クリニコ/https://www.clinico.co.jp/products/assistance/jellydrink/riha-jelly.html ) は、たんぱく質を手軽に補給できるゼリー飲料で、身体を動かしたあとの栄養補給として活用されています。
食欲がわきにくいときや、忙しくて食事の準備が難しいときの補助として取り入れやすい選択肢です。
※飲み込みにくさなど嚥下面に不安がある方は、自己判断せず、必ず医師に相談のうえ、摂取をご検討ください。

注意点:薬との飲み合わせ
一部の食品は、内服薬と一緒に食べる際に注意が必要と言われることがあります。
・納豆:ワルファリンを服用中の方は、医師に相談するとよいと言われています。
・青魚:血液をサラサラにする薬(抗凝固薬や抗血小板薬)を服用中の方は、医師に相談するとよいと言われています。
・緑茶:一部の薬の吸収を妨げることがあると言われています。
これらは一般的な知見であり、絶対的な制限ではありません。
気になる場合は、医師や薬剤師など専門家に確認するとより安心です。
自分だけで判断せず、専門家のアドバイスを聞くことが大切です。
効果的な運動の方法
筋肉を増やすためには、低負荷・高回数の運動がおすすめです。
麻痺の程度や筋肉の状態は人によって異なるため、無理のない範囲で、できることから少しずつ取り入れていくことが大切です。
たとえば、次のような運動から始めやすいです。
・椅子に座ったまま、片足をゆっくり伸ばして戻す
・座った状態で、かかとを上げ下げする
・麻痺のない手で、麻痺側の腕をゆっくり持ち上げる
麻痺側の手足だけで行うのが難しい場合は、麻痺のない手足の力を借りながら、できる範囲で動かすことから始めてください。
10〜15回を2〜3セットを目安にしますが、回数にこだわりすぎず、その日の体調や筋肉の状態を見ながら、無理のない負荷に調整することが大切です。
運動直後にタンパク質をとることで、筋肉の合成を促すことができます。
ボディワークスでできること
ボディワークスでは、筋肉量を増やすための運動や、栄養と運動の組み合わせを、個別に考えることができます。
たとえば、低負荷・高回数の運動から始め、筋肉の状態を見ながら段階的に負荷を調整します。
また、運動直後の栄養補給を意識することで、筋肉の合成を促すことができます。
日常生活では、よく使う動作を練習に取り入れ、実際の動きに近づけることも大切です。
麻痺した筋肉を動かしていく観点からは、IVES(アイビス)という電気刺激治療器を使ったアプローチもあります。
IVES は、弱い電気刺激で筋肉に働きかけ、脳が筋肉の動かし方を学び直すのを助ける方法です。
感覚と運動の両面から、筋肉の回復を支えることができます。
さらに、アンウェイという歩行トレーニング機器を使って、活動量を増やす取り組みもあります。
アンウェイは、安全に歩行練習を繰り返すことで、日常生活での活動量を増やすことを目指します。
活動量が増えることで、筋肉量の維持や回復を助けることができます。
このように、運動と栄養の両面からアプローチすることで、リハビリの成果を支えることができます。
過去に投稿したコラムの関連記事
・IVES(アイビス)とは?麻痺した手足の動きを取り戻す電気刺激治療
・「歩けるかも」を「歩けた!」に変える ― 脳卒中リハビリにアンウェイシステムという選択 | ナッセボディワークス
自宅で本人と家族が一緒に取り組める例
■ 自宅で本人と家族が一緒に取り組める例
・食事の見守り
「この食事、食べやすそう?」「タンパク質はとれそう?」と、本人の声を聞くことから始めます。
毎食タンパク質を意識してとることが大切です。
タンパク質は筋肉の材料になるため、毎食分けてとることがおすすめです。
・嚥下(飲み込み)のサポート
「飲み込みにくくない?」「むせたりしない?」と、本人の感覚を聞きます。
食べ物は、小さく切る、とろみをつける、よく噛んでから飲み込むといった工夫をします。
食事中は、ゆっくりと食べ、休憩をとりながら進めることが大切です。
むせたり、飲み込みにくさがある場合は、早めに専門家に相談することが大切です。
・運動のサポート
椅子に座って足を伸ばす、壁を使って腕を押し込むといった運動を、一緒にやってみます。
「今日は 10 回やってみよう」「できたら褒める」といった、小さな目標を設定することも大切です。
・変化に気づくこと
「以前より手が動かしやすくなった」「疲れにくくなった」といった小さな変化も、重要なサインです。
ご家族が見守ることで、本人が継続しやすくなります。

あわせて読みたい:廃用症候群のコラム
筋肉量を維持するためには、運動だけでなく、日常生活での活動量も大切です。
廃用症候群は、活動量の低下によって心や体の機能が低下する状態です。
サルコペニアと廃用症候群は、どちらも筋肉量の維持に関わる重要なテーマです。
詳しくは、以下のコラムもあわせてご覧ください。
→ 廃用症候群に対する当施設のリハビリアプローチ | ナッセボディワークス
まとめ
脳卒中後の回復には、筋肉量が大きく関わっています。
筋肉量が減ると、立ち上がりや歩行がやりにくくなり、リハビリの成果にも影響します。
特に脳卒中後は、サルコペニア(筋肉量が減り力が弱くなる状態)になるリスクが高まります。
筋肉量を保つためには、栄養と運動の両面からのアプローチが大切です。
タンパク質を十分にとり、納豆・青魚・卵・ヨーグルトなどの食品をバランスよくとることがおすすめです。
運動に関しては低負荷・高回数の運動から始めて、徐々に負荷量や頻度を変えていくことがポイントになります。
薬との飲み合わせに注意しながら、専門家のアドバイスをもとに食事と運動を工夫することが大切です。
自宅で本人と家族が一緒に取り組めることから始め、小さな変化に気づきながら継続することが、回復を支えることにつながります。
【参考文献】
・AWGS 2025 診断基準に関する報告(アジアサルコペニアワーキンググループ,2025)
・脳卒中患者の筋肉量と ADL 低下のリスク評価に関する報告(吉村芳弘,2026)
・脳卒中後の低体重と転帰不良リスクに関する報告(Ys-Med,2026)
・脳卒中患者の栄養・運動療法に関する報告(リハビリテーション栄養,2026)
・サルコペニアと脳卒中回復の関係に関する報告(J-STAGE,2026)
【よくあるご質問(Q&A)】
Q1. サルコペニアとは何ですか?
A. 筋肉量が減り、力が弱くなる状態です。
脳卒中後は、活動量の低下や栄養状態の影響で、サルコペニアになるリスクが高まります。
Q2. 筋肉量を増やすには、どんな運動がよいですか?
A. 低負荷・高回数の運動から始め、筋肉の状態を見ながら段階的に負荷を調整します。
椅子に座って足を伸ばす、壁を使って腕を押し込むといった運動がおすすめです。
Q3. 栄養面で気をつけることはありますか?
A. 毎食タンパク質を意識してとることが大切です。
タンパク質は筋肉の材料になるため、毎食分けてとることがおすすめです。
Q4. ボディワークスでは、どんなことができますか?
A. 筋肉量を増やすための運動や、栄養と運動の組み合わせを、個別に考えることができます。
また、麻痺した筋肉を動かす IVES(アイビス)という電気刺激治療器を使ったアプローチや、アンウェイという歩行トレーニング機器を使って活動量を増やす取り組みもあります。
日常生活での工夫も、一緒に考えることができます。
「自分や家族の場合はどうなんだろう」
「今やっているリハビリで、この先も大丈夫なのか」
そんな気持ちを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。
ナッセボディワークス兵庫伊丹・宝塚は、
脳卒中・パーキンソン病・脊髄損傷など、
病院でのリハビリを終えた後も
“動きと生活をどうつないでいくか”
を大切にしている自費リハビリ施設です。
一人ひとりの状態を丁寧に確認し、
電気刺激治療機IVES(アイビス)や
免荷歩行装置アンウェイなども活用しながら、
今の生活環境や目標に合わせた関わりを行っています。
「通うかどうか」ではなく、
「今の状態をどう捉えればいいのか」
を整理するだけでも構いません。
まずは気軽に相談できる窓口として、
LINEでの無料相談をご用意しています。
また、実際のリハビリの考え方や現場の雰囲気は、
文章だけでは伝わりにくい部分もあります。
センター長自身が解説しているYouTubeチャンネルでは、
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