コラム COLUMN
パーキンソン病の方が転びやすいのはなぜ?転倒を防ぐためにできること
パーキンソン病と診断されてから、こんなことを感じていませんか?
- 最近ちょっとしたことで転びそうになる、または転んでしまった
- 足が前に出にくくて、すり足になってきた気がする
- 方向転換するときにふらっとすることがある
- 転倒が怖くて外出や運動が億劫になってきた
パーキンソン病の方は、健康な方に比べて転倒するリスクがおよそ2〜3倍高いと言われています。
さらに、転倒した方の約2割が骨折を経験するというデータもあります。
「転ぶのは年のせい」と思っていても、実はパーキンソン病特有の症状が原因になっていることがほとんどです。
転倒は骨折だけでなく、その後の活動量の低下や「また転んだらどうしよう」という恐怖感からくる閉じこもりにもつながります。
だからこそ、なぜ転びやすいのかを正しく理解して、対策をとることがとても大切です。
このコラムを読むとわかること
- パーキンソン病で転びやすくなるメカニズム
- 特に注意が必要な「危険な場面」
- 転倒予防のためにリハビリでできること
- 自宅でできる転倒リスクを下げる工夫
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パーキンソン病で転びやすくなる理由
パーキンソン病の症状は「手が震える」「動作がゆっくりになる」というイメージが強いと思います。
でも実は、転倒に深く関わる症状がいくつもあります。
- 姿勢反射障害(バランスをとる機能の低下)
私たちは無意識のうちに、ふらっとしたときに足を踏み出してバランスを取り直しています。
これを「姿勢反射」といいます。
パーキンソン病では、この反射機能が低下するため、少しつまずいただけでもそのまま転倒してしまうことがあります。 - すくみ足・小刻み歩行
歩き始めようとしたとき、または歩いている途中で急に足が動かなくなってしまう「すくみ足」や、歩幅がどんどん小さくなる「小刻み歩行」はパーキンソン病に特徴的な症状です。
どちらも転倒のリスクを高めます。特にドアの前や方向転換時にすくみが起きやすいので注意が必要です。 - 前傾姿勢(体が前に曲がってしまう)
パーキンソン病では体幹の筋肉が硬くなり、姿勢が前に傾きやすくなります。
重心が前にずれた状態で歩くと、前につんのめるように転びやすくなります。また、この姿勢が続くと背中や腰の痛みにもつながります。 - 二重課題(ながら動作)が苦手になる
「歩きながら話す」「歩きながら周囲を見る」といった、2つのことを同時に行うことをデュアルタスク(二重課題)と呼びます。
パーキンソン病では、このデュアルタスクが苦手になるため、歩行中に気を取られるだけで足元への注意がおろそかになり、転倒リスクが跳ね上がります。 - 薬の効果が切れるタイミング(オフ時間)
レボドパなどの薬の効果が切れてくる時間帯(オフ時間)は、運動症状が悪化して特に転倒しやすくなります。
自分のオフ時間を把握して、その時間帯の活動に注意することが重要です。
ポイント:転倒の原因はひとつではなく、これらの症状が重なり合っています。「なぜ転ぶのか」を把握することが、効果的な対策につながります。
特に転倒しやすい「危険な場面」を知っておこう
パーキンソン病の方が転倒しやすい場面には、ある程度パターンがあります。あらかじめ知っておくだけで、ぐっと注意しやすくなります。
- 歩き始めのとき — すくみ足が起きやすく、第一歩が出にくいです。
- 方向を変えるとき — 特に狭い場所での方向転換はバランスを崩しやすいです。
- 段差や敷居をまたぐとき — 足が上がりにくいため、つまずきやすいです。
- 急いでいるとき — 焦りが小刻み歩行を加速させ、転倒リスクを高めます。
- 注意が他に向いているとき — 会話中、スマートフォン操作中、テレビを見ながら歩くときなど。
- 暗い場所・夜間 — 視覚情報が少なくなるとバランスが特に不安定になります。
注意:転倒して頭を打った場合や、強い痛みがある場合は速やかに医療機関を受診してください。「大丈夫そう」と思っても、後から症状が出ることがあります。
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転倒予防のためにリハビリでできること
転倒を防ぐために、リハビリではどのようなことが行われているのでしょうか。パーキンソン病に対しては、いくつかのアプローチが有効とされています。
APPROACH 01
バランス訓練
立った姿勢での重心移動や、片足立ちの練習。姿勢反射を鍛え、ふらついたときの立て直し能力を高めます。
APPROACH 02
歩行訓練(リズム・キュー活用)
メトロノームの音や床のテープを目印にすることで、すくみ足を防ぎ、安定した歩幅を引き出します。
APPROACH 03
体幹・下肢の筋力強化
前傾姿勢を改善するために体幹を鍛え、足を上げやすくするために大腿四頭筋や股関節周囲筋を強化します。
APPROACH 04
デュアルタスク訓練
歩きながら数を数える・会話するなど、2つの課題を同時にこなす練習で、日常生活での転倒リスクを下げます。
LSVT BIG(大きな動作を意識するリハビリ)
パーキンソン病専門のリハビリアプローチとして「LSVT BIG」があります。
「大きく動く」ことを意識的に繰り返すことで、実際の動作の振れ幅を改善させる方法です。
研究でも歩行速度・バランス・転倒リスクの改善が報告されており、パーキンソン病のリハビリで注目されています。
自宅でできる転倒リスクを下げる工夫
リハビリ室の外でも、日常生活の中でできることはたくさんあります。
- 床の段差・敷居をなくす — バリアフリー化が最も効果的な転倒予防のひとつです。バスマット・カーペットのめくれにも注意しましょう。
- 手すりを設置する — 廊下・トイレ・風呂場・玄関など、動線に沿って手すりをつけることで安心感が大きく変わります。
- すくみ足対策を覚える — 足踏みをして動き出す・大きく「いち、に」と声に出す・床のラインをまたぐイメージをするなどが効果的です。
- 急がない・焦らない習慣をつける — 電話が鳴っても、ドアチャイムが鳴っても、まず落ち着いて立ち上がることが大切です。
- 靴にこだわる — かかとがしっかりしたスニーカーが◎。スリッパや靴下での歩行はできるだけ避けましょう。
まとめ
今回は、パーキンソン病の方が転びやすい理由と、転倒を防ぐための方法についてお伝えしました。
この記事のポイント
- パーキンソン病の転倒リスクは健康な方の2〜3倍。原因は「姿勢反射・すくみ足・前傾姿勢・デュアルタスク・薬の効き目」などが重なる
- 転倒しやすい場面(歩き始め・方向転換・段差・夜間など)をあらかじめ知っておくことが大切
- バランス訓練・歩行訓練・筋力強化・デュアルタスク訓練などのリハビリが有効
- 自宅の環境整備(段差解消・手すり設置・靴の選択)も転倒予防に直結する
- 「急がない習慣」と「すくみ足への対処法」を身につけることが日常の安全につながる
転倒は「仕方ないこと」ではありません。正しい知識と適切なリハビリで、リスクを大きく下げることができます。少しでも不安を感じている方は、ぜひ一度専門家に相談してみてください。
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転倒予防やリハビリのことを一緒に考えましょう。
「自分や家族の場合はどうなんだろう」
「今やっているリハビリで、この先も大丈夫なのか」
そんな気持ちを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。
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脳卒中・パーキンソン病・脊髄損傷など、
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