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エスカレーターが怖いと感じる理由と対処法 

コラム

「エスカレーターに乗るのが怖いんです。」

脳卒中(脳梗塞・脳出血)後の方から、実はよく聞く言葉です。

普段は歩けていても、

エスカレーターになると急に不安になる。

どうしてエスカレータだけは違うのか?

今回はエスカレーターに不安を抱える方が読んだ後に、
少しでもエスカレーター挑戦できそうと思ってもらえるようにご紹介します。

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なぜエスカレーターが怖くなるのか

脳卒中後は、片麻痺やバランス能力の低下が起こることがあります。

エスカレーターは、

  • 段差が動いている
  • 乗る瞬間にタイミングを合わせる必要がある
  • 周囲の人の流れが速い

という特徴があります。

つまり「静止した段差を上る」のとは全く違う状況なのです。

昨今では『エスカレーターは立ち止まる』という案内も普及しているため、周囲の人の流れも比較的少なくなっていますが、
大きな街やビジネス街に行くとそうでないこともしばしばあります。

Osaka Metro HPより

身体機能の影響

片麻痺がある場合、

  • 踏み出しの一歩が遅れる
  • 足が引っかかる不安がある
  • 体幹が不安定

こうした要素が重なると、動く段差に合わせることが難しくなります。

特に麻痺側が後ろに残ると、転倒リスクが高まります。

踏み出しの一歩が遅れる原因として、やはり麻痺側の脚のバランスが不安定になっているということが起因します。

また大きな段差はないものの、普段の歩行での脚の振り出しに不安があると、タイミングが合いにくく、引っかかる不安も高まります。

実は大きい「視覚」と「認知」の問題

エスカレーターの恐怖には、高次脳機能の影響もあります。

例えば、

  • 距離感がつかみにくい
  • 動くものへの反応が遅れる
  • 注意を分配できない

といった問題です。

人混みの中では情報量が一気に増えます。

その処理が追いつかないと、強い不安として表れます。

これらも高次脳機能障害の影響である場合があります。

無理に乗る必要はある?

結論から言えば、無理をする必要はありません。

エレベーターという選択肢があります。

「前はできたのに」と思う気持ちは自然です。

しかし、安全が最優先です。

それでも克服したい場合

「外出範囲を広げたい」

「旅行に行きたい」

「駅を使えるようになりたい」

確かに、エスカレーターを使うことで広がる世界はたくさんあります。

そのためにエスカレーターへの不安を減らしたい場合、段階的な練習が有効です。

  • 静止した段差での重心移動練習
  • 踏み出し動作の反復
  • 体幹の安定性強化
  • 視線移動のトレーニング

特に麻痺側への重心移動がスムーズに行え、振り出す脚が出やすい状況を作ることがポイントです。

”急ぐ”ことと”スムーズ”とは別の意味であると認識をすることも重要です。

ついつい、「速く動かなければ」と思い焦ってしまうことで、動きも固くなり、やりにくくなってしまいます。

非麻痺側から麻痺側へのスムーズな重心移動、そしてそれに連動して振り出される脚、といったスムーズさを意識することがエスカレーターに乗ることへの不安を解消するための第一歩です。

外出不安は回復のチャンスでもある

エスカレーターが怖いという感覚は、

身体や認知の課題を教えてくれているサインです。

現状の課題がなんなのか?

上記の練習を行ってみたときにやりにくさ、スムーズさなどを感じたり、専門家に見てもらうことで判断し、

そこを明確にすれば、リハビリの方向性が見えてきます。

脳卒中後の外出不安は、適切な評価と訓練で軽減できる可能性があります。

まとめ

脳卒中後にエスカレーターが怖いと感じるのは珍しいことではありません。

片麻痺、バランス低下、認知機能の影響など、複数の要因が関わっています。

無理はせず、

必要であれば専門家と相談しながら段階的に練習していきましょう。

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小栢 崇裕

【監修者】

株式会社ナッセ / 理学療法士
小栢 崇裕(オガヤ タカヒロ)

プロフィール
新卒で回復期リハビリテーション病院に入職。
その後、2018年4月にナッセへ訪問リハビリ・デイサービス機能訓練指導員として入職。
デイサービスリハビリ部門リーダーとして約20名のセラピストマネジメントやリハビリデータの収集・解析・フィードバックも行う。
研究業績
・第2回日本予防理学療法学術集会
・第36回東京都理学療法学術大会
・回復期リハビリテーション病棟協会 第31回研修大会in岩手