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パーキンソン病の方が無意識に行っている「代償動作」とは ―気づきにくいサインとリハビリでの考え方―

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はじめに

パーキンソン病では、「できなくなった動き」を補うために、本人も気づかないうちに身体の別の部分を使って動作を成立させていることがあります。
これを代償動作と呼びます。

一見すると「動けている」「問題なさそう」に見える一方で、実はその裏で身体への負担が蓄積していたり、症状の進行サインを見落としてしまうケースも少なくありません。

このコラムでは、パーキンソン病の方に多く見られる代償動作の具体例と、その見方、リハビリで大切にしたい視点について整理します。

代償動作とは何か

「できている動き」と「本来の動き」は違う

代償動作とは、本来使うべき筋肉や動作パターンがうまく働かないときに、別の部位を使って動作を成立させることです。

パーキンソン病では
・動作が小さくなる
・動き出しが遅くなる
・左右差が強くなる

といった特徴があり、それを補う形で代償動作が自然に生じます。

重要なのは、代償動作そのものが悪いわけではないという点です。
ただし、それが長期間続くと別の問題を引き起こすことがあります。

よく見られる代償動作の具体例

歩行時に目立つ代償

パーキンソン病の方の歩行では、次のような代償がよく見られます。

・腕を振らず、体幹を大きく振って前に進む
・歩幅が出ない代わりに歩行スピードを上げる
・片側の脚に体重を預けるような歩き方になる

「歩けている」ように見えても、実際にはバランス戦略が崩れていることがあります。

立ち上がり動作での代償

椅子から立つときに
・勢いをつけて一気に立ち上がる
・腕や反動を強く使う
・身体を大きく前に倒してから立つ

こうした動作も、下肢や体幹の使いづらさを補う代償の一つです。

上肢・手の動きに現れる代償

・指が動かしにくいため、肩や肘を大きく使う
・細かい作業で体全体が固まる
・反対の手で無意識にサポートする

これらは日常生活動作の中で特に見落とされやすいポイントです。

なぜ代償動作は見逃されやすいのか

本人も周囲も「できている」と感じてしまう

代償動作は、動作自体が成立しているため
・本人は困っていない
・家族も違和感に気づきにくい

という特徴があります。

しかし、
・疲れやすくなる
・痛みが出やすくなる
・転倒リスクが高まる

といった形で、あとから問題として表面化することも少なくありません。

データや数値だけでは分からないポイント

近年、リハビリ業界では動作解析や数値データの活用が進んでいます。
ただし、パーキンソン病の代償動作は

・動作の質
・左右差
・動きの連続性
・無意識の緊張

といった数値化しにくい要素に現れることが多いのも事実です。

そのため、「何ができないか」だけでなく
「どうやってできているか」
を見る視点が重要になります。

リハビリで大切にしたい考え方

代償を否定しない

代償動作は、その人が生活を続けるために獲得した戦略です。
無理に「正しい動き」に戻そうとすると、かえって動作が不安定になることもあります。

本来の動きを引き出す余地を残す

リハビリでは
・代償を理解したうえで
・本来使いたい部位が少しでも働く環境を作る

ことが重要です。

結果として
・動作が楽になる
・疲れにくくなる
・生活動作の安定につながる

といった変化が期待できます。

まとめ

パーキンソン病では、無意識の代償動作が日常のあらゆる場面に現れます。
それは「悪い癖」ではなく、その人なりの適応です。

ただし、
・見落とされ続ける代償
・身体に負担をかけ続ける代償

については、適切に気づき、調整していく視点が欠かせません。

「できているか」ではなく
「どうやってできているか」

この視点を持つことが、パーキンソン病のリハビリや生活支援において、とても大切になります。

ナッセボディワークスでは、
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に注目して評価し、リハビリを行っています。

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小栢 崇裕

【監修者】

株式会社ナッセ / 理学療法士
小栢 崇裕(オガヤ タカヒロ)

プロフィール
新卒で回復期リハビリテーション病院に入職。
その後、2018年4月にナッセへ訪問リハビリ・デイサービス機能訓練指導員として入職。
デイサービスリハビリ部門リーダーとして約20名のセラピストマネジメントやリハビリデータの収集・解析・フィードバックも行う。
研究業績
・第2回日本予防理学療法学術集会
・第36回東京都理学療法学術大会
・回復期リハビリテーション病棟協会 第31回研修大会in岩手