コラム COLUMN

寒い朝、布団から出るのが大変…。体がスムーズに動くようになる「目覚めの3分習慣」

コラム

リハビリに関するご相談を受付中!
まずはお気軽にご連絡ください。

なぜ寒い朝は動きづらいのか?

パーキンソン病の方からは、冬場になると次のような声がよく聞かれます。

  • 「朝一歩目がなかなか出ない」
  • 「体がカチカチで、起き上がるまでに時間がかかる」
  • 「動き出すまで震えやこわばりが強い」

これは、

  • 睡眠中は動きが少なく筋肉や関節が固まりやすい
  • 夜間に薬の効果が弱まり、朝はオフに近い状態になりやすい
  • 冷えで血流が落ち、筋肉の動きがさらに鈍くなる

といった要因が重なって起こると考えられています。
「気合いで一気に起きる」のではなく、「少しずつスイッチを入れていく」イメージで体を起こしていくことが大切です。

目覚めの3分習慣のポイント

この習慣は、次の3つを意識して組み立てています。

  1. 布団の中でできることから始める
  2. 小さな動き → 少し大きな動き → 起き上がり、の順で負担を減らす
  3. 「呼吸」と「リズム」を合わせて、パーキンソン病特有の固さを和らげる

無理のない範囲で行い、疲れたら途中でやめてもかまいません。毎日「だいたい同じ順番」で続けることが、体にとって分かりやすい合図になります。

ステップ1:布団の中で体を温める(約1分)

① 深呼吸で「起きるスイッチ」を入れる

仰向け、もしくは楽な向きで横になったまま、まずは呼吸から整えます。

  1. 鼻から4秒かけて息を吸う
  2. 口から6秒かけてゆっくり吐く

これを5〜6回くり返します。
呼吸に意識を向けることで、心も少し落ち着き、「そろそろ起きる時間だ」と体に知らせる役割もしてくれます。

② 手足の指先をゆっくり動かす

次に、手と足の指先を動かしていきます。

  • 手の指を、グー(にぎる)→パー(開く)をゆっくり5回
  • 足の指も、ぎゅっと丸める→パッと開くを5回

速くたくさん動かす必要はありません。
「指先からじわっと血が通ってくる感じ」を意識しながら、丁寧に行ってみてください。

ステップ2:布団の中で関節をほぐす(約1分)

③ 足首・膝をゆっくり動かす

仰向けのまま、片足ずつ動かしていきます。

  • 足首を、自分のほうへ倒す→つま先を遠くに伸ばす、を10回
  • 余裕があれば、足首をぐるっと円を描くように、右回り・左回り5回ずつ

次に、かかとを布団の上で滑らせながら膝を曲げ伸ばしします。

  • 片脚ずつ、曲げる→伸ばすを10回

このとき、「イチ、ニ」「イチ、ニ」と声に出してリズムをつけると、動きがスムーズになりやすくなります。

④ 腕・肩を大きく動かす

次は上半身。

  1. 両手を体の横に置く
  2. 息を吸いながら、両腕をゆっくり頭の上まで持ち上げる
  3. 息を吐きながら、また体の横まで戻す

これを5〜10回くり返します。
可能であれば、腕を上げたときに軽く背伸びをして、丸くなりがちな背中を伸ばしてあげると、姿勢のリセットにもつながります。

ステップ3:起き上がる前の「準備運動」(約1分)

⑤ ゴロゴロ寝返りで体幹を起こす

いきなり腹筋のように起き上がろうとすると、力が入りすぎて固くなったり、めまいが出たりしやすくなります。

  1. まずは、右向き・左向きと、ゆっくり寝返りを打つ
  2. 余裕があれば、片ひざを立てた状態でゴロンと転がる

これを数回くり返し、「体幹(おなか・背中まわり)」にスイッチを入れてあげましょう。
寝返りが難しい方は、介助の方に肩甲骨と骨盤をそっと支えてもらいながら行うと安全です。

⑥ 横向きから、いすに座るように起きる

次に、「横向き → ひじで体を支える → 手で押して起きる」という順番で、できるだけ楽に起き上がります。

  1. 起きたい側(ベッドから降りる側)を下に向けて横向きになる
  2. 下になっている腕を少し前に出し、上側の腕で布団やベッドを押しながら、上半身を起こす
  3. 脚をベッドの外に出し、「いすに腰かけるように」ゆっくり腰を下ろす

一気に起き上がるのではなく、「横向きのまま少し休む → ひじで支える → 手で押して起きる」と段階を踏むことで、ふらつきにくくなります。
起き上がったら、すぐ立たずに、まずは座った姿勢で数回深呼吸して、めまいや気分の悪さがないか確認しましょう。

布団から出る前に気をつけたいこと

立ち上がりは「一呼吸おいてから」

座った状態で、

  • 足の裏がしっかり床についているか
  • ベッドや手すりをつかめる位置に手があるか

を確認します。

そのうえで、

  1. もう一度、軽くつま先を上げ下げして足元の感覚を確認する
  2. 「今から立ちます」と自分に声をかける(もしくは介助者が声かけする)
  3. 手すりやベッドをつかみながら、ゆっくり前かがみ → 立ち上がり

という順番を意識しましょう。
急いで立とうとすると、すくみ足や突進のような動きが出て転倒につながりやすくなります。

リズムや合図をうまく使う

パーキンソン病では、「リズム」や「合図」が動き出しの助けになることがあります。

  • 「イチ、ニ、サン」で3つ数えてから立ち上がる
  • 介助者と一緒に「せーの」で声を合わせて動き出す
  • 好きな曲のフレーズを頭の中で流しながら、一歩目を出す

といった小さな工夫だけでも、「体がスッと前に出る」きっかけになりやすくなります。

3分習慣を続けるためのコツ

完璧を目指さず、「できるところだけ」でもOK

その日の体調によって、「今日はステップ1だけ」「②と③だけ」でもかまいません。
大事なのは、「まったく動かさない朝を減らすこと」です。できる範囲で続けることが、少しずつ動きやすい朝につながっていきます。

ルーティン化すると体が覚えやすい

  • 枕元に「目覚めの3分習慣」のメモを貼っておく
  • 家族に声かけしてもらいながら一緒に行う
  • デイサービスやリハビリのスタッフに見てもらい、やり方を微調整してもらう

といった工夫をすると、習慣として身につきやすくなります。

つらい朝こそ、「ゆっくり丁寧に」が近道

寒い朝は、どうしても「早く起きなきゃ」と焦りがちですが、パーキンソン病の体には、その焦りが逆効果になることもあります。
布団の中での数分の準備が、そのあとの「歩きやすさ」「転びにくさ」に大きく影響します。

無理のない範囲で、今日からできそうなステップだけでも、ぜひ試してみてください。
「前より少し楽に起きられた」という小さな変化を積み重ねていくことが、寒い季節を乗り切る大きな力になってくれます。

「自分や家族の場合はどうなんだろう」
「今やっているリハビリで、この先も大丈夫なのか」
そんな気持ちを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。

ナッセボディワークス兵庫伊丹・宝塚は、
脳卒中・パーキンソン病・脊髄損傷など、
病院でのリハビリを終えた後も
“動きと生活をどうつないでいくか”
を大切にしている自費リハビリ施設です。

一人ひとりの状態を丁寧に確認し、
電気刺激治療機IVES(アイビス)や
免荷歩行装置アンウェイなども活用しながら、
今の生活環境や目標に合わせた関わりを行っています。

「通うかどうか」ではなく、
「今の状態をどう捉えればいいのか」 を整理するだけでも構いません。
まずは気軽に相談できる窓口として、 LINEでの無料相談をご用意しています。

▶ LINEで無料相談してみる

また、実際のリハビリの考え方や現場の雰囲気は、
文章だけでは伝わりにくい部分もあります。
センター長自身が解説しているYouTubeチャンネルでは、
日常生活での困りごとやリハビリの視点についても発信しています。

▶ ナッセボディワークスのYouTubeを見る

公式LINE友だち追加バナー

LINEでお気軽にご相談ください。

リハビリに関するご相談を受付中!
まずはお気軽にご連絡ください。

小栢 崇裕

【監修者】

株式会社ナッセ / 理学療法士
小栢 崇裕(オガヤ タカヒロ)

プロフィール
新卒で回復期リハビリテーション病院に入職。
その後、2018年4月にナッセへ訪問リハビリ・デイサービス機能訓練指導員として入職。
デイサービスリハビリ部門リーダーとして約20名のセラピストマネジメントやリハビリデータの収集・解析・フィードバックも行う。
研究業績
・第2回日本予防理学療法学術集会
・第36回東京都理学療法学術大会
・回復期リハビリテーション病棟協会 第31回研修大会in岩手