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リハビリ転院ってどういうこと?転院する理由やメリット・デメリットについて解説

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病院に入院していると、ある日突然「リハビリ転院しましょう」と言い渡されたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

何のために転院するのか?

なぜ転院しなければならないのか?

いろいろと疑問に思うところだと思います。

この記事では、以下のトピックについて解説します。

  • リハビリ転院しなければいけない理由
  • リハビリ転院のメリット・デメリット

この記事を読めば、なぜリハビリ転院する必要があるのかがわかります。

「なぜ転院しなければならないのか理解した上で転院したい」という方は、ぜひ参考にしてください。

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リハビリ転院とは

リハビリ転院とは、リハビリを目的に病院を変えることを言います。

病院は大きく急性期病院と回復期病院、療養型病院の3つの機能に分類することができます。

転院とは、それぞれの機能にあった病院に移って治療などを受けるためにおこなわれます。

一般には急性期病院から回復期病院に転院することをリハビリ転院と言います。

まずは急性期病院と回復期病院のそれぞれの機能について説明します。

急性期病院とは

一般的に救急車で運ばれたり、病気やケガをした時にかけつけて必要に応じて入院することができる施設です。

外来などもおこなっているため、ところによっては結構込み合っている病院もあります。

主に病気やケガをした直後に入院することになるため、その病気やケガの外科的・内科的な治療をメインにおこないます。

例えば、手術をおこなったり、薬物治療を集中的におこなうなどの治療です。

リハビリももちろんありますが、1日20~30分程度で土日祝はリハビリはお休みというところが多いです。

回復期病院とは

この回復期病院への転院が、いわゆるリハビリ転院とよばれるものです。

主にリハビリを集中的におこなうための施設です。

回復期病院では1日最大180分(60分×3回)のリハビリをすることができ、多くの回復期病院は365日休まずにリハビリを提供しています。

リハビリ転院する理由

リハビリ転院ですが、必ずしもそうしなければならない訳ではありません。

転院する理由は個々によって様々ですが、以下にいくつか一例を挙げました。

  • 外科的・内科的治療が一段落した
  • 今の状態では自宅での生活が難しいと考えられる場合
  • 自宅に退院できるか分からないので入院している間に方針を決める

急性期病院での治療が一段落した場合には、その後の進路として2パターンあります。

  • このまま退院する
  • リハビリ転院する

この2つの大きな違いは、退院してからも生活が送れるか否か、というところです。

退院するとはいえ、定期的な通院は必要になることが予想されます。

その際に通院することができることが退院の条件になると考えてよいでしょう。

また、退院後にも生活が送ることができるか否かも退院の条件となります。

身体状態が急性期病院での治療で改善しきらなかった場合などには、追加の加療が必要と判断され、リハビリ転院を勧められることになるでしょう。

リハビリ転院のメリット・デメリット

回復期病院への転院がどれだけのものなのか?あまりイメージがない方も多いのではないかと思います。

回復期病院のメリットとデメリットについて説明します。

リハビリ転院するメリット

回復期病院に転院することのメリットは主に以下の通りです。

  • 最大6ヶ月間、3時間のリハビリが毎日できる
  • 専門的なリハビリを1回60分間行うことができる

最大6ヶ月間、3時間のリハビリが毎日できる

回復期病院では疾患によって入院できる期間が異なります。

股関節の骨の骨折などの整形疾患の場合は最大3ヶ月、

脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患の場合は最大6ヶ月入院することが可能となっています。

この期間の違いは、疾患によって回復にかかる期間が異なるためと考えられています。

脳梗塞などは一般的に発症後6ヶ月間が最も改善しやすい期間とこれまでの研究でも提言されきていることもあるため、上記のような期間となっています。

また、長期間入院できるだけでなく、1日のリハビリ時間も最大3時間できるということで、リハビリに専念することができます。

専門的なリハビリを1回60分間行うことができる

リハビリには3つの職種があることはこちらのコラムでもご紹介しましたが、回復期病院では必要に応じてそれぞれの職種が1回60分間のリハビリを行うことで改善を目指していきます。

骨折などの整形疾患の場合は主に理学療法士や作業療法士のリハビリがメインとなります。

一方で脳梗塞などの脳血管疾患の場合は、理学療法士や作業療法士のみでなく、言語聴覚士のリハビリがあることもあります。

言葉が出にくい症状や飲み込みにくいなどの症状がある方は言語聴覚士のリハビリが処方されます。

場合によっては言語障害だけが強く、手足の麻痺は軽度、あるいはほとんどないという場合には理学療法のリハビリはないというケースもあります。

このように回復期病院に入院するメリットはリハビリにあることがわかるかと思います。良いことがある一方でデメリットもありますのでご説明します。

リハビリ転院のデメリット

回復期病院に入院するデメリットは以下のようなものが考えられます。

  • 長期間入院するため経済的に負担になる
  • リハビリ以外の時間はヒマになる

それぞれ解説していきます。

長期間入院するため経済的に負担になる

無料で入院できる訳ではないので、期間が長くなるほど治療費はかかります。決して安くない治療費ですので、可能な限り積極的な姿勢でリハビリに臨むことが重要です。

リハビリ以外の時間はヒマになる

回復期病院だけでなく病院という空間にいる以上、付きまとう問題ではありますが、一定程度の行動が制限されるため、その制限による身体の衰えというのは生じてしまう可能性があります。

リハビリがない時間帯でも自主トレーニングをセラピストに教わって、主体的にリハビリに取り組むことで、リハビリもより効果的になると考えられます。

まとめ

今回はリハビリ転院について解説しました。

リハビリをして頑張ることは、今後の将来の自分にとってきっとプラスに働くはずです。

病気になったことでネガティブな感情になることもあるかもしれませんが、ぜひ肯定的に考えて、主体的にリハビリを取り組むことが改善への第一歩だと考えます。

回復期病院には後からもう一度入院してもっとリハビリしておけば良かった、ということができないので、入院期間でしっかりとリハビリできるようにする心構えが大切になるかもしれません。

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小栢 崇裕

【監修者】

株式会社ナッセ / 理学療法士
小栢 崇裕(オガヤ タカヒロ)

プロフィール
新卒で回復期リハビリテーション病院に入職。
その後、2018年4月にナッセへ訪問リハビリ・デイサービス機能訓練指導員として入職。
デイサービスリハビリ部門リーダーとして約20名のセラピストマネジメントやリハビリデータの収集・解析・フィードバックも行う。
研究業績
・第2回日本予防理学療法学術集会
・第36回東京都理学療法学術大会
・回復期リハビリテーション病棟協会 第31回研修大会in岩手