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プールでのリハビリは効果的?メリットやリハビリメニューを紹介
「リハビリして痛みが強くなったらどうしよう…」
「プールは足腰に負荷がかかりにくそうだけど、どんな運動がいいの?」
このように考えていませんか。
プールでのリハビリは水の浮力で足腰への負担を最小限にしつつ、抵抗も得られるため、リハビリ効果が期待できます。
この記事では、以下のトピックについて解説します。
- 水中運動とは
- プールでリハビリする効果
- プールでリハビリするメリット
- プールでのリハビリにおすすめな運動
記事を読むことで、プールで期待できるリハビリの効果やメリットを理解できます。
「体に負担をかけず腰や膝の痛みを改善したい!」という方は、ぜひ参考にしてください。
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水中運動とは
水中運動とは、水の特性を利用した運動のことです。
プールでのリハビリが効果的な理由は、水の特性が関係します。
水が持つ特性
リハビリの効果をもたらす水の特性は、以下の4つです。
- 浮力
- 抵抗
- 水圧
- 水温
それぞれ説明します。
浮力
浮力とは、水中の物体に対して重力とは逆方向に作用する力のことです。
浮力は、水深によって変化します。プールに腰まで浸かると、体重の負荷は約50〜60%、肩まで浸かると約10%になります。
体重60kgの方が肩まで浸かると、足腰にかかる負荷は約6kgとなるため、足腰に痛みがある方のリハビリに効果的です。
浮力によって運動時における足腰への負荷を軽減できるため、痛みを抱えている方でも安心して運動できます。
抵抗
水中では、体を動かす方向全てに抵抗が生じ、この抵抗は空気の12倍といわれています。
水中と陸上で同じ運動をした場合、陸上よりも水中の方が抵抗が大きく、動かす力をより必要とするため効率よく運動できます。
さらに、動かす方向全てに抵抗が生じるため、腹筋や背筋など全身の筋肉をバランスよく鍛えられるのです。
水圧
水中では圧力が常に体にかかっており、この圧力を水圧といいます。
水圧がかかることで血液が心臓に戻るようサポートされ、1回の拍動で心臓から送り出す血液量が増えます。
そのため、心臓から送り出される血液量は陸上の1.5倍といわれるほど、血流が促進されるのです。
全身の血流が乏しくなることで招かれやすい筋肉の柔軟性低下や腰痛は、血流が促進されることで改善する場合があります。
水温
プールの水温と免疫機能は関係します。
プールの水温は体温よりも低く設定されています。水の熱伝導率は空気の23倍といわれ、水中では非常に速く体温が奪われるのです。
体温が奪われることで、正常の体温に戻そうと自ら体温をあげようとし、体温調節機能が鍛えられます。
体温よりも低い水温により体温調節機能が鍛えられることで、季節の気温差に対応しやすくなり、結果として免疫機能が向上します。
プールでリハビリする効果
プールでのリハビリは、心身ともに以下5つの効果が期待できます。
- 筋力の向上
- 持久力の向上
- 関節の可動域の改善
- リラックス効果
- 脳の活性化
それぞれ確認していきましょう。
筋力の向上
水中で運動することで、筋力の向上が図れます。
水中では空気の12倍の抵抗がかかるため、筋肉に大きな負荷をかけられます。
そして、動かす方向全てに抵抗が生じるため、腰を守る腹筋や背筋など普段使いにくい筋肉が刺激され全身の筋肉をバランスよく鍛えられるのです。
また、水中で素早く動くことで、筋肉へさらに強い負荷をかけられます。このように、器具を使用しなくても水の抵抗により筋力の向上を期待できます。
持久力の向上
水中で運動することで、持久力の向上が図れます。
運動に必要な酸素は肺で血液に取り込まれ、心臓から全身へ送り出されます。
水中での有酸素運動によって体がたくさんの酸素を必要とするため、血液を送り出す心臓が活発に働き、心拍数が上がるのです。
継続的に運動することで心臓の活発な動きに体が慣れていき、結果として持久力の向上が図れます。
関節の可動域の改善
水中で運動することで、関節可動域の改善が図れます。
デスクワークのように長時間にわたって同じ姿勢をとると、血流が乏しくなり筋肉が硬くなります。
そして、筋肉が硬くなると関節の可動域制限を招き、場合によっては腰の痛みなどを引き起こすのです。
水中での運動は、血流を促すことによる筋肉の柔軟性向上を導き、関節の可動域の改善が図れます。
リラックス効果
水中で運動することで、リラックス効果を得られます。
水に浸かると体の力が抜けやすくなり、ふわふわした感覚を覚えることでしょう。
その時の感覚が脳に刺激を与えることでストレス緩和に有効なセロトニンが分泌され、リラックス効果を得られるのです。
また、有酸素運動を行うことでもセロトニンが分泌されます。
そのため、水中での有酸素運動は、セロトニンの分泌によるリラックス効果を得られます。
脳の活性化
水中で運動することで、脳の活性化が図れます。
水中での運動は、普段の生活では得られない浮力や水圧といった感覚や、手足の異なるリズミカルな動きが脳に刺激を与えます。この刺激はシナプスという神経細胞の形成を促し、認知症の予防が期待できます。
シナプスは情報処理能力の高さに関係しており、シナプスが多い人ほど頭の回転が速いといわれています。
このように、水中で運動することで得られる様々な刺激によって脳の活性化が図れるとともに認知症の予防を期待できます。
プールでリハビリするメリット
前章ではプールでリハビリを行うことで期待できる効果を紹介しました。加えて体に及ぼす影響や環境のメリットがわかれば、さらに取り組んでみたい気持ちになるでしょう。
プールでリハビリをするメリットは、以下の6つです。
- 体への負担が少ない
- 多くのエネルギーを消費できる
- 心肺機能が強化できる
- 無理なく全身運動、有酸素運動ができる
- 暑い夏でも運動ができる
- ゆっくりマイペースに運動できる
順番にみていきましょう。
体への負担が少ない
水中での運動は、体への負担が少なく済みます。
プールで肩まで水に浸かると、浮力により体重の約10%まで負荷を軽減できます。
そのため、運動による痛みへの心配が少なく、安心できるでしょう。
多くのエネルギーを消費できる
水中での運動は、多くのエネルギーを消費できます。
水中で運動した時の抵抗は空気の12倍といわれており、陸上よりもエネルギーを消費するのです。
ウォーキングを例にあげると、水中ウォーキングは陸上と比べて約1.5倍のエネルギーを消費するといわれます。
さらに、水温は体温よりも低いため非常に速く体温が奪われます。正常の体温に戻そうと自ら熱を発生させる過程で、エネルギーを消費するのです。
このように、水の抵抗と体温を戻す過程により多くのエネルギーを消費できます。
心肺機能が強化できる
水中での運動は、心肺機能が強化できます。
水中では酸素を取り込む肺にも水圧がかかるので陸上よりも呼吸筋を使います。
結果として、呼吸筋が鍛えられ、1回の呼吸で多くの酸素を取り込めるようになるのです。
そして水圧により血液が心臓に戻るようサポートされ、1回の拍動で心臓から送り出す血液量が増えるため、心臓の機能も向上します。
このように、たくさんの酸素を含んだ血液を体に送り出すため、心肺機能が強化できます。
無理なく全身運動、有酸素運動ができる
水中では、浮力により体にかかる負荷が少ないため腰に痛みを抱えていても無理なく有酸素運動ができます。
さらに、水の抵抗により体の全方向に負荷がかかるため、デスクワークなどで日頃使いにくい背筋や腹筋など全身をバランスよく鍛えられるでしょう。
暑い夏でも運動ができる
屋内プールを利用することで、暑い夏でも運動ができます。
暑い夏の屋外運動は体に負担がかかりますが、屋内プールは水温と室温は一定に保たれているため気温に関わらず運動ができるでしょう。
また、雨天であっても運動ができます。
ゆっくりマイペースに運動できる
水中での運動は、ゆっくりマイペースに運動できます。
水中での運動は基本的に1人で行うため、自分の体の調子や体力と相談しながら運動量や時間を調整できます。
無理なく運動を続けやすく、ゆっくりマイペースに運動できる点もメリットと言えるでしょう。
プールでのリハビリにおすすめな運動
プールでリハビリをするにあたっておすすめな運動は、以下の4つです。
- ウォーキング
- 簡単なエクササイズ
- アクアビクス
- 水泳
それぞれ説明します。
ウォーキング
ウォーキングの主な方法は、以下の表にまとめた3種類です。
前歩き | 背筋を伸ばす 踵から着地したあと、つま先で床をける |
後ろ歩き | つま先をあげ、足をまっすぐ後ろにひく つま先から着地し、踵で床をける |
横歩き | 両手を真横に広げると同時に進行方向へ足を一歩踏みだす 踏み出したら膝をしっかり曲げる |
3つの歩き方に共通する注意点は、姿勢を意識するあまり腰を反らないようにしましょう。腹筋に力を入れながら行うと、腰の反りを予防できます。
基本の歩き方に慣れてきたら、徐々に速度を速めたり膝を高くあげたりし、痛みのない範囲で運動の負荷を増やしてみましょう。
簡単なエクササイズ
水中ウォーキングといった有酸素運動を合わせて足の運動を行うことで、さらなるリハビリ効果を得られるでしょう。
簡単なエクササイズは、以下の3つです。
- スクワット
- カーフレイズ
- 股関節回し
それぞれ説明します。
スクワット
スクワットを行うことでお尻の筋肉である大殿筋や、太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋を鍛えることができます。
以下に方法を説明します。
- 両足を腰幅に広げ、両手は腰におきます。
- 5秒かけて膝を曲げながら腰を落としていきます。
(注)腰を反らないよう腹筋に力を入れましょう。
膝が痛くならないよう、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。
- 5秒静止します。
- 5秒かけて立位に戻ります。
行う回数は、10回×2〜3セットを目安にしましょう。
膝を曲げる角度は、運動後に痛みが生じないか確認しながら無理のない範囲で調整しましょう。
カーフレイズ
カーフレイズを行うことで、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋を鍛えることができます。
以下に方法を説明します。
- プールサイドなど、安定したところに手をおき体を支えます。
- 両足を腰幅に広げます。
- 5秒かけて踵を上げます。
- 5秒静止します。
- 5秒かけて踵を下ろします。
行う回数は、10回×2〜3セットを目安にしましょう。
運動時、腰が反らないよう腹筋に力を入れながら行いましょう。
股関節回し
股関節回しを行うことで、股関節周りや腹筋を鍛えられたり、股関節の柔軟性を向上したりできます。
以下に方法を説明します。
- 両手を腰におき、腰が大きくぶれないように気をつけます。
- 片脚で支えながら反対の脚の膝で円を描くように動かします。
- 円を描く方向は前回し→後回しの順番に行います。
- 左右交互に行いましょう。
行う回数は、前回し5回・後ろ回し5回×2セットを目安にしましょう。
運動時、腰が反らないよう腹筋に力を入れながら行います。
動かす範囲は、小さい円からはじめ、慣れてきたら徐々に円を大きくしましょう。
アクアビクス
アクアビクスとは、水の特性を生かした水中でのエアロビクスのことをいいます。
水の浮力により体への負荷がかかりにくいため、腰に痛みを抱えていても取り組みやすい全身運動です。
音楽に合わせてインストラクターの動きを真似しながら、全身の筋肉が鍛えられます。様々な動きを楽しみながら運動をしたい方におすすめです。
水泳
水泳は、筋力や持久力の向上に効果的な有酸素運動です。
ただし、腰に痛みを抱えている方は、平泳ぎなど腰を反ってしまうような泳法は避けた方が良いでしょう。
おすすめの泳法は、腰を反らずに泳げるクロールです。
体への負担を考慮しながら、無理なく行ってみましょう。
まとめ
プールでのリハビリは、浮力や抵抗といった水の特性により足腰の負担を最小限にしながら筋肉に多くの負荷をかけられるため、十分な運動効果が期待できます。
その効果とは、筋力と持久力の向上・リラックス効果・脳の活性化であり、心身ともに健康へ導いてくれるでしょう。
プールで行うリハビリとしては、ウォーキング・簡単なエクササイズ・アクアビクス・水泳などが挙げられます。
マイペースに行えるウォーキングから、音楽に合わせて楽しみながら行えるアクアビクスなど、その時の体の状態や気分によってエクササイズを選択できることもプールで行うリハビリの魅力です。
専門家の指導を受けたい場合は、リハビリプールを設置する病院を利用する方法もあります。
これを機に、プールでのリハビリを始めてみてはいかがでしょうか。