コラム COLUMN

脳幹梗塞とリハビリの重要性

コラム

こんにちは!
ナッセボディワークス兵庫伊丹・宝塚の小栢です。

前回の小脳梗塞のリハビリに続き、今回は「脳幹梗塞」をテーマにかかせていただきました。

「脳幹梗塞」というのはどんな病気かご存じでしょうか?

脳梗塞の一種である脳幹梗塞は、脳の中心部に位置する脳幹に血流障害が起こることで発生します。
脳幹は、呼吸や心拍など生命維持に欠かせない機能を担う重要な部分であり、運動や感覚の調節、さらには意識や睡眠の制御にも関与しています。
そのため、脳幹梗塞が発生すると多岐にわたる症状が現れ、患者の生活に大きな影響を及ぼします。

本コラムでは、脳幹梗塞の基礎知識からリハビリの重要性、そしてリハビリを進める際の具体的な方法やポイントについて解説します。


脳幹梗塞の症状と特徴

脳幹梗塞の症状は、損傷を受けた部位や範囲によって異なりますが、以下のような特徴的な症状が挙げられます。

  1. 四肢麻痺や運動障害
    • 脳幹は身体の左右を交差して支配しているため、片側の脳幹に障害が生じると反対側の手足に麻痺が現れることがあります。
  2. 感覚障害
    • 触覚や痛覚の異常が見られる場合があります。特に「片側の顔」と「反対側の体」で異なる感覚障害が起こることが特徴的です。
  3. 平衡感覚の障害
    • めまいやふらつき、立ちくらみなど、日常生活の動作に影響を及ぼす症状が多いです。
      これにより転倒リスクが高まります。
  4. 言語や嚥下の障害
    • 発声が困難になる、飲み込みが難しくなるといった問題が生じることがあります。
      また、発語の明瞭さが低下することもあります。
  5. 自律神経の乱れ
    • 脈拍の変化や血圧の異常、発汗の異常など、自律神経系に影響が出る場合があります。
  6. 意識障害や呼吸困難
    • 重篤な場合には生命維持機能が危機にさらされることもあります。特に脳幹の深部が影響を受けると危険です。

これらの症状は患者一人ひとりで異なるため、個別のリハビリ計画が重要となります。


リハビリの重要性

脳幹梗塞からの回復には、急性期治療後のリハビリが欠かせません。
リハビリは、失われた機能の回復や残存機能の強化を図るだけでなく、日常生活の質(QOL)の向上にも寄与します。

  1. 機能回復の促進
    • 神経可塑性(脳が新しいネットワークを構築する能力)を活用することで、障害を受けた機能を補うよう働きかけます。
  2. 再発予防
    • 運動や生活習慣の改善を通じて、再発リスクを低減します。
  3. 心理的支援
    • 長期的な治療には精神的な負担も伴います。リハビリを通じて患者や家族の心のケアも行います。

リハビリの具体的な内容

脳幹梗塞のリハビリでは、専門的なアプローチと日常生活の実践的なサポートが組み合わさります。以下は主なリハビリの方法です。

1. 運動療法

運動療法は、麻痺や筋力低下の改善を目指す基本的なリハビリ手法です。

  • 関節可動域運動:硬直や拘縮を防ぐために、関節を丁寧に動かします。
  • 筋力強化トレーニング:残存している筋力を強化し、生活動作を支援します。
  • バランストレーニング:ふらつきや転倒を防ぐために、体幹や脚の安定性を向上させます。

2. 作業療法

作業療法は、日常生活に必要な動作を改善することを目的としています。

  • 食事や着替えの練習:手指の動きをスムーズにする練習を行います。
  • 道具の使用指導:補助器具を活用して自立を促進します。

3. 言語療法

言語療法は、発声や嚥下の改善を目指します。

  • 発声練習:声を出す筋肉を強化し、スムーズな発音を支援します。
  • 嚥下訓練:食事中の安全性を確保するために飲み込みの練習を行います。

4. 心理的サポート

長期的なリハビリにおいては、患者の意欲を維持することが重要です。

  • カウンセリング:不安や抑うつを軽減するための相談を行います。
  • グループセラピー:同じ境遇の仲間と交流することでモチベーションを高めます。

5. 自律神経を整えるケア

脳幹梗塞で影響を受けやすい自律神経を整えるためのアプローチも必要です。

  • 深呼吸法やリラクゼーション法:心拍や呼吸の安定化を目指します。
  • ヨガや軽いストレッチ:精神的な安定と身体のリズムを整える効果があります。

ナッセボディワークスの取り組み

ナッセボディワークス兵庫伊丹・宝塚では、脳梗塞後のリハビリに特化したプログラムを提供しています。患者一人ひとりの状態や目標に合わせた個別のプランを立案し、専門スタッフが丁寧にサポートします。

特徴的なサービス

  • 最新機器を活用したリハビリ:運動療法や神経筋再教育のための先端技術を導入。
    IVESと呼ばれる電気刺激治療器を用いた、アプローチにより神経筋再教育を促進します。
  • 家庭でのリハビリ指導:自宅でも継続可能なトレーニング方法を指導。
  • 包括的なケア:身体的なサポートだけでなく、精神的なケアも重視。
    また、なぜこの運動が必要か?どういう意図をもってリハビリをするのか?ということについての説明も詳しくおこないながらリハビリを進めていきますので、納得感が得られます。
  • 転倒防止プログラム:平衡感覚や筋力強化に特化した訓練で転倒リスクを軽減。

まとめ

脳幹梗塞は多様な症状を引き起こすため、専門的なリハビリが不可欠です。
ナッセボディワークス兵庫伊丹・宝塚では、患者一人ひとりに寄り添いながら、効果的なリハビリを提供しています。
脳幹梗塞のリハビリにお悩みの方は、ぜひ当施設のサポートをご検討ください。

リハビリに関するご相談を受付中!
まずはお気軽にご連絡ください。

小栢 崇裕

【監修者】

株式会社ナッセ / 理学療法士
小栢 崇裕(オガヤ タカヒロ)

プロフィール
新卒で回復期リハビリテーション病院に入職。
その後、2018年4月にナッセへ訪問リハビリ・デイサービス機能訓練指導員として入職。
デイサービスリハビリ部門リーダーとして約20名のセラピストマネジメントやリハビリデータの収集・解析・フィードバックも行う。
研究業績
・第2回日本予防理学療法学術集会
・第36回東京都理学療法学術大会
・回復期リハビリテーション病棟協会 第31回研修大会in岩手