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脳梗塞後の後遺症にリハビリは必要?

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みなさま、お久しぶりとなってしまいました。

ナッセボディワークス兵庫伊丹・宝塚のセンター長の小栢(おがや)です。

今日から、またブログ投稿を再開していきますので、ぜひこれからもご覧ください。

さて、今回は脳梗塞後の後遺症に対して、リハビリが重要であることはわかるけど、、、。

という方も多いのではないでしょうか?

脳梗塞は、血液の供給が途絶えることによって脳細胞が酸素や栄養を失い、損傷を受ける病気です。

その結果、様々な後遺症が残り、生活の質が大きく低下することがあります。

脳梗塞による後遺症を乗り越え、患者ができる限り自立した生活を送るためには、適切なリハビリが不可欠です。

リハビリは単なる体の回復にとどまらず、患者の精神的なサポートや社会復帰を支える重要な手段です。

本コラムでは、脳梗塞後の後遺症とそのリハビリの必要性、進め方、そしてリハビリにおける具体的なアプローチを解説します。

脳梗塞の後遺症とその影響

脳梗塞の後遺症は、発症部位や損傷の程度によって異なります。

脳のどの部分が損傷を受けたかにより、運動機能、認知機能、言語機能、感覚機能など、さまざまな影響が現れます。

主な後遺症は以下のように分類できます。

1. 運動機能障害

脳梗塞の代表的な後遺症のひとつが、運動機能の障害です。

これには、片麻痺(体の片側の筋力低下や麻痺)、歩行障害、バランス感覚の喪失などが含まれます。

これらの症状は、日常生活の動作に大きな制約を与えます。

たとえば、歩くことや自分で食事をとることが難しくなり、患者の自立度が低下することがよくあります。

2. 言語障害

言語中枢が損傷を受けた場合、発話や理解に問題が生じます。

これを「失語症」と呼び、言葉をうまく使うことができなくなります。

患者は話すことが難しくなるだけでなく、聞いた言葉を理解するのも困難になることがあります。

失語症は、患者が社会とのコミュニケーションを取る上で大きな障壁となり、精神的なストレスを引き起こすこともあります。

3. 認知障害

脳梗塞が脳の認知機能に影響を与えることもあります。

記憶力の低下、注意力の散漫、判断力の低下など、認知機能に関する障害が生じることがあります。

これにより、日常生活での決断が難しくなったり、他者との関わりが減少することがあります。

4. 感覚障害

脳梗塞の影響で、体の一部に感覚障害が現れることもあります。

特に、手や足に痺れや感覚の鈍さを感じることがあります。

これにより、物を持ったり操作したりすることが難しくなり、生活の質が大きく低下します。

5. 精神的影響

脳梗塞後は、身体的な後遺症に加えて、心理的な問題も多く見られます。

患者は脳梗塞による身体的な制約に直面し、抑うつ症状や不安障害を引き起こすことがあります。

また、社会復帰に対する不安や自己評価の低下も精神的な負担となります。

リハビリの重要性

脳梗塞後のリハビリは、患者ができる限り自立した生活を送るために不可欠です。

リハビリを通じて、機能の回復を目指すだけでなく、患者が社会復帰できるように支援することが求められます。

また、リハビリは単なる身体的な回復だけでなく、精神的なサポートを提供する役割も担います。

リハビリが適切に行われることで、後遺症の重さや生活への影響を軽減し、患者がより良い生活を送るための支えとなります。

1. 早期のリハビリ開始

脳梗塞の回復において、早期のリハビリが重要であることは多くの研究で示されています。

脳梗塞発症後、できるだけ早くリハビリを開始することで、神経の再生を促し、回復の可能性を高めることができます。

急性期(発症後の最初の数週間)においても、患者の状態に応じて簡単な動作の練習や感覚の回復を促すリハビリを行うことが有効です。

2. リハビリの種類と方法

脳梗塞後のリハビリは多岐にわたります。主に以下の種類があります:

  • 運動療法(理学療法):筋力の回復や歩行の訓練、バランス感覚を取り戻すためのリハビリです。理学療法士(PT)が患者の状態に応じた運動プランを提供し、身体機能の回復を目指します。
  • 作業療法:日常生活動作を自立して行えるようにするためのリハビリです。食事や着替え、入浴など、患者が日常生活で行う動作を練習します。作業療法士(OT)は、患者に合った方法で生活支援を行います。
  • 言語療法(言語訓練):発語や理解力を改善するためのリハビリです。言語聴覚士(ST)が発話や理解の訓練を行い、患者が社会とのコミュニケーションを取るための能力を向上させます。
  • 認知リハビリ:記憶力や注意力、判断力を鍛えるための訓練です。認知機能を再び活性化させ、日常生活における判断力を取り戻すことが目指されます。

3. 個別対応と患者の意欲

リハビリは患者一人ひとりに合わせた個別の対応が重要です。

患者の状態や進行具合に応じて、リハビリ内容を調整することが必要です。

また、患者自身の意欲やモチベーションも回復に大きな影響を与えます。

患者が積極的にリハビリに参加することで、回復のペースが早くなることがあります。

4. ナッセボディワークス兵庫伊丹・宝塚でできること

当施設では脳梗塞などによる、麻痺によって動かしにくくなった手足などに対して、IVES(アイビス)と呼ばれる、電気治療器を用いた、機能的な改善を目指したアプローチを行っています。

IVESを使うことで、麻痺して動きにくくなった筋肉に電気で刺激を入れ、何度も何度も繰り返し運動を行うことで、電気刺激がない状態でも麻痺した筋肉を動かせるようにする、というものです。

家庭でできるリハビリと支援

リハビリは病院での治療だけでなく、家庭でも積極的に行うことが大切です。

患者が自宅でできる簡単な運動や認知トレーニングを日常的に行うことで、回復を加速させることができます。

例えば、歩行訓練を日々行ったり、簡単な記憶トレーニングを行ったりすることが有効です。

また、家族や介護者の支援も重要な要素です。

患者がリハビリを継続するためには、家族の理解と協力が不可欠です。家族が患者を励まし、支えながらリハビリを進めていくことで、患者の精神的な負担を軽減し、回復に向けた前向きな態度を維持することができます。

まとめ

脳梗塞後の後遺症は、患者にとって非常に大きな障壁となり得ますが、リハビリを通じて多くの機能が回復する可能性があります。

早期のリハビリの開始、個別対応、患者の意欲、そして家族の支援が、回復の鍵となります。

リハビリは、患者ができる限り自立した生活を送るための重要な手段であり、その効果を最大化するためには、専門家との連携と継続的な努力が求められます。

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小栢 崇裕

【監修者】

株式会社ナッセ / 理学療法士
小栢 崇裕(オガヤ タカヒロ)

プロフィール
新卒で回復期リハビリテーション病院に入職。
その後、2018年4月にナッセへ訪問リハビリ・デイサービス機能訓練指導員として入職。
デイサービスリハビリ部門リーダーとして約20名のセラピストマネジメントやリハビリデータの収集・解析・フィードバックも行う。
研究業績
・第2回日本予防理学療法学術集会
・第36回東京都理学療法学術大会
・回復期リハビリテーション病棟協会 第31回研修大会in岩手