コラム COLUMN
パーキンソン病で首が下がる?原因と効果的なリハビリ運動を解説
「前を向いて歩きたいが、首が下がって歩きにくい…」
「パーキンソン病の首下がりを改善したいがどんな運動がいいのだろう?」
このように考えていませんか。
パーキンソン病とは体が徐々に動きにくくなる難病であり、首下がりは病気の影響で首を支える筋力が低下することで起こるといわれています。
この記事では、以下にトピックについて解説します。
- 首下がり症とは
- 首下がりの治療方法
- 自分でできる首下がりに対する運動
この記事を読めば、パーキンソン病の首下がりに効果的なリハビリメニューがわかります。
「リハビリによって首下がりを改善したい」という方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
首下がり症とは
首下がり症とは、何らかの原因で首が下がり前を向けなくなってしまう状態であり、様々な症状が起こります。
以下に、パーキンソン病になると首下がりになる理由と症状について説明します。
パーキンソン病になると首下がり症になる理由
パーキンソン病になると首下がり症になる理由は、首を支える筋肉の筋力低下によるといわれています。
首を支える主な筋肉は僧帽筋や頭板状筋、頸板状筋、頭半棘筋です。パーキンソン病により筋力低下が起こると、これらの筋肉で頭を支えられなくなるため首が下がります。
さらにパーキンソン病の特徴的な姿勢は前屈姿勢です。頭が体幹より前に傾く前屈姿勢が続くと、本来の首の前弯が消失もしくは後弯を促します。その結果、首を支える筋力が低下し首下がりを招きやすくなります。
首下がりによる症状
首下がりの症状は主に以下の6つです。
- 立位や座位では頭を上げられないが仰向けに寝ると改善する
- 頭が重たく感じる
- 前を向いて歩きにくい
- 食べ物を飲み込みにくい
- 呼吸しにくい
- 首の痛み
- 肩こり
首下がりは首を支える筋力低下により起こるといわれ、頭を持ち上げにくくなったり前を向いて歩きにくくなります。その状態が続くと首や肩まわりの筋肉へ負担がかかり、柔軟性が低下することで肩こりといった体の不調をきたす可能性があります。
また、首下がりにより食道や気管が狭くなり、飲み込みにくさや呼吸のしにくさに繋がりやすくなります。
首下がりを放置すると筋肉の形態が変化し治療の効果を得にくいといわれるため、肩の違和感や症状を自覚した際は、早期の治療が大切です。
首下がりの治療方法
首下がりの治療方法は以下の3つです。
- 保存療法
- 手術療法
- 食事療法
それぞれ見ていきましょう。
保存療法
手術によらない治療は保存療法と呼ばれ、首下がりではリハビリや装具の使用が挙げられます。
パーキンソン病の首下がりは筋力低下により起こるといわれているため、リハビリにより首を支える筋肉の筋力改善を目指す必要があるのです。また、首下がりによって生じる肩こりを改善するために首や肩周りの筋肉の緊張を和らげます。
一方、装具による治療は頚椎カラーを使用します。首を保護することで首の筋肉へかかる負担軽減を期待できます。
ただし、首下がりが進行すると保存療法の効果を得にくくなるといわれるため、早期の治療開始をおすすめします。
手術療法
手術療法は、保存療法の効果を得られない場合に治療の選択肢となり得ます。
スクリューを背骨に挿入し、ロッドで固定することで首の弯曲を矯正するのです。
一般的に、広範囲の固定となるため複数のスクリューを挿入します。さらにパーキンソン病による首下がりは必要に応じて首から骨盤まで、より広範囲に固定します。
食事療法
食事療法の目的は、筋肉を作るために大切なタンパク質を摂取し筋肉量を増やすことです。
1日のタンパク質摂取量の目安は、男性60g、女性50gといわれています。タンパク質を含む食品は肉や魚、卵などです。
ただし、体に必要な栄養素は糖質やビタミン類など多岐にわたるため、バランスの良い食事を心がけましょう。
自宅でできる首下がりに対する運動
自宅でできる首下がりに対する運動は、以下の4つです。
- 首を回す運動
- 肩甲骨の運動
- 顔を上げる運動
- 胸を広げる運動
それぞれ説明します。
首を回す運動
首を回す運動を行うことで、首まわりの筋肉の緊張を和らげます。
以下に方法を説明します。
- 顔をできるだけ正面に向けます。
- ゆっくりと時計の針のように首を回します。
- 同じく反対方向に首を回します。
回数は、各方向3回×2〜3セットを目安に行ってください。
首を回す動きと合わせて目線も動かし、肩に力が入らないようにしてください。
首に痛みのない範囲で回すようにしましょう。
肩甲骨の運動
肩甲骨には首から続く筋肉が付着しています。肩甲骨の運動を行えば、首や肩まわりの筋肉の柔軟性改善を期待できます。
以下に方法を説明します。
- 椅子に座り、顔をできるだけ正面に向けます。
- 肩をすくめるように肩甲骨を引き上げます。
- 力を抜いて肩甲骨を下げます。
回数は、5〜10回×1〜3セットを目安に行ってください。
肩甲骨を引き上げる際は、耳に近づけるように行いましょう。
顔を上げる運動
顔を上げる運動を行うことで、首下がりの改善に大切な首の筋肉を鍛えられます。
以下に方法を説明します。
- うつ伏せになります。
- 肘を90°に曲げ、肩の真下につきます。
- 顔をできるだけ正面に向けて5秒止めます。
- 顔をゆっくり下ろします。
回数は、5秒×10回×1〜3セットを目安に行ってください。
肩がすくんで力まないように注意しましょう。
胸を広げる運動
前述のとおり前屈姿勢になると首下がりを招きやすくなります。そこで、胸を広げる運動を行えば、前屈姿勢や肩まわりの筋肉の硬さが改善する場合があるのです。
以下に方法を説明します。
- 椅子に座ります。
- 両手をお尻の後ろにつきます。
- 胸を天井に向けるように突き出し5秒止めます。
回数は、5回×1〜3セットを目安に行ってください。
顔をできるだけ天井に向けるようにし、肩がすくんで力まないように気をつけてください。
関連記事:パーキンソン病のリハビリメニューを紹介|効果的な運動とは?
まとめ
パーキンソン病とは体が徐々に動きにくくなる難病であり、首下がりは病気の影響で首を支える筋力が低下することで起こるといわれています。
さらに、パーキンソン病の特徴である前屈姿勢により首を支える筋力が低下し首下がりを招きやすくなります。
首下がりのリハビリ運動の第一目的は、首を支える筋肉を鍛えることです。
リハビリの内容は、顔を上げる運動や首を回す運動、肩甲骨の運動、胸を広げる運動が挙げられます。
ただし、首下がりが進行すると筋肉の形態が変化するため、リハビリの効果が得にくいといわれます。
症状を自覚した際は、早期に専門家の治療を受けることをおすすめします。